ＪＲ小野田駅からゆっくり歩いて30秒。誰もが気軽に立ち寄ることができる大衆居酒屋がある。「外食は非日常」をコンセプトに、食卓に並ぶ機会が少ない料理を豊富にそろえて来店客を楽しませる。

　名物は藁（わら）の炎で豪快に焼き上げる藁焼き料理。中でも人気の「特選和牛火あぶりの刑」（１０７８円）は、香ばしい香りをまとった和牛のうま味を存分に堪能できる。本場の味をほうふつとさせる「かつおの藁焼き」（８５８円）なども人気。立ち上る炎を眺めながら楽しみたい。

　鮮度抜群の活魚料理にも定評がある。いけすで泳ぐアジをその場でしめて提供する「活あじ１００タタキの刑」（１０７８円）は、コリコリの食感と脂の甘みが特徴。さばいた後でもピチピチ動く姿が見られるかも。

　ドリンクにも個性的なメニューがある。ザ・ビッグタワーサワー（８２５円）は、レモンスライスがタワー状に連なっていて強烈なインパクトを残す。来店客のリクエストに応えて始めた「単品飲み放題」も好評。90分２２００円で利用できるとあって、お酒好きにはうれしいニュースだ。

　２０１８年７月の開店以来、個性的なメニュー構成も受けて多くの来店客でにぎわってきたが、新型コロナの影響を避けて通ることはできなかった。いまだ客足が鈍い山陽小野田市日の出地区。以前のようなにぎわいが戻ることを願い、暗い夜空を照らし始める朝日と地区名を重ね、店舗の外側に大きな４枚の「日の出」の写真を並べた。また、駅周辺を行き交う学生を中心に楽しんでもらおうと店頭で無人販売も始めた。ショーケースでコロッケ、からあげ、ポテト、ワッフルなどを１００～２００円で販売し、多い日には１００人以上の利用があるという。

　店内営業に加え、さまざまな取り組みを行うことで地域活性化、駅前のにぎわい創出を目指している。店内には検温器とアルコール消毒を備え、各テーブル席の間には飛沫（ひまつ）感染を防ぐロールカーテンを設置するなど対策を講じ、市の「取組宣言店舗」に認定された。

　店のことを多くの人に伝えたいと、フェイスブックやインスタグラムでの情報発信も始めた。柏村雅彦店長は「若い方にも気軽に立ち寄っていただける店にして、にぎわいを取り戻したい。新型コロナのダメージは大きいが、気づきも多くあった。地域のために力を尽くしたい」と目を輝かせた。

前回の「伊酒屋ぼーの」さんからバトンを引き継ぎご紹介するのは「酒場」さんです。