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医療相談Q&A こんなときどうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデーうべ「医療相談Q&A」、サンデーワイド「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。

Q.
 全身性エリテマトーデスの治療のためにプラニケル錠を内服することになりました。まれに眼に副作用が出ることがあると聞きましたが、どのように注意したらよいでしょうか。(52歳、女性)


A.
 プラニケル錠(ヒドロキシクロロキン)は全身性あるいは皮膚エリテマトーデスに対して用いられる薬剤です。将来、関節リウマチに対しても投与が承認される可能性が高く、多数の方に用いられると思われます。
 この薬の投与により、網膜症などの眼障害を生じて不可逆的に視力が障害されることがあるので、薬物の投与前、投与中に眼科で目の状態を詳しく観察する必要があります。
 もともと様々な原因による網膜症(SLE網膜症を除く)あるいは黄斑症がある方、又はそれらの既往歴のある方に対してはこの薬の投与は禁忌なので、投与を始める前に眼底検査、視野検査や光干渉断層計などによる種々の眼科的な検査を行い、網膜症や黄斑症がないことを確認します。また、長期にわたって投与する場合には少なくとも年に1回は同様の眼科検査を実施するように定められています。
 投与が長期間にわたって累積投与量が200gを超えた方、ご高齢の方、肝臓や腎臓に障害のある方、もともと視力障害のある方は、眼障害を発症するリスクが高いので、より頻回の検査が求められています。
 プラニケル錠の内服中の方、内服予定の方は眼科でご相談ください。


くまがい眼科院長 熊谷 直樹先生

■プロフィル
神奈川県出身 平成2年横浜市大医学部大学院修了 医学博士
ニューヨーク大学医学部留学 横浜市大眼科講師を経て平成8年山口大学医学部眼科に赴任 平成13年より山口大眼科助教授 平成19年くまがい眼科開院 日本眼科学会認定専門医など

      
(2016年9月28日 サンデーうべ掲載)