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医療相談Q&A こんなときどうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデーうべ「医療相談Q&A」、サンデーワイド「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。

Q.
50歳代の男性です。会社で健診を受けました。悪玉コレステロールが正常よりも高く、生活習慣の改善を促されています。悪玉コレステロールと善玉コレステロールの総和が総コレステロールにならないのが気になっています。

A.
 実は誰の検査でも善玉と悪玉の数値を足しても総コレステロールにはなりません。この足りない分の多くは「レムナントコレステロール」です。レムナントとは英語で残り物の意味です。食べ物で吸収したコレステロールが、小腸から肝臓に運ばれているものがレムナントコレステロールです。最近、動脈硬化を引き起こす大きな要因となることが分かってきました。また、マクロファージに取り込まれやすい事を示す報告もあり、血管に多くの悪さをしているらしいことが分かってきています。レムナントや悪玉コレステロールなど、血管に悪さをするコレステロールのことを、non-HDLコレステロールと呼んでいます。文字通り善玉コレステロールではないコレステロールという意味です。jnon-HDLコレステロールは計算で数値を出すことが可能です。
 (総コレステロールの数値)−(善玉コレステロールの数値)=(non-HDLコレステロール)
 この値が150〜169はやや危険、170以上は危険です。検査表によっては総コレステロールの記載がないものもあります。その場合は悪玉コレステロールに30を足した数値が目安となります。気になる方はお近くの医療機関で相談なさって下さい。



金沢守クリニック院長 金沢 守先生
■プロフィル
平成2年:山口大学医学部卒業
山口大学医学部附属病院、宇部記念病院、阿知須同仁病院などを経て平成23年9月7日「金沢守クリニック」を開業
(2018年4月11日 サンデーうべ掲載)