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医療相談Q&A こんなときどうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデーうべ「医療相談Q&A」、サンデーワイド「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。

Q.
65歳女性です。以前高血圧で、心臓肥大があるといわれ薬を飲んでいましたが、症状がないので、自分の判断で服薬をやめました。最近、すこし家事をすると疲れやすく、2階に上がるのも息切れがするようになりました。顔や脚がむくんでいるようです。どうしたら良いでしょうか?

A.
 まず心不全の可能性を考える必要があります。
 心不全とは心筋障害で心臓のポンプ機能が低下し、末梢臓器の需要量に見合うだけの血液量を、送り出せない状態です。心不全の診断治療のための検査として、一般的なものにレントゲン、心電図、エコー、血液検査があります。胸部レントゲンで心臓が大きくなっていないか、肺に水が溜まっていないか、心電図で心臓の負荷や不整脈の合併を、心臓エコーで心臓のポンプ機能、心臓の大きさ、心肥大の評価、弁膜症や心奇形の合併などを評価し、血液検査でBNPというものを測定し、心臓にかかっているストレスの程度を評価して総合的に判断し治療方針を決定します。
 心不全の原因として多いものに、高血圧があります。心不全への移行、発症を防ぐことが高血圧の治療の目標のひとつです。高血圧の治療の自己判断による中止により、心不全が発症した可能性がありますので、まず循環器内科に受診してみて下さい。


ひろなか内科循環器科
弘中 克己先生

■プロフィル
平成2年 山口大学医学部卒業 平成9年山口大学大学院より医学博士授与 山口大学医学部付属病院、山口労災病院、美祢市立病院等で勤務
平成20年ひろなか内科循環器科開院 循環器専門医 内科認定医
(2018年8月8日 サンデーうべ掲載)