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医療相談Q&A こんなときどうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデーうべ「医療相談Q&A」、サンデーワイド「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。

Q.
遠方にすむ両親の事について相談です。事情があって疎遠になり、20年近く連絡をとっていませんが、最近になって郷里に住む幼なじみから「夫婦そろって引きこもり、外部と遮断された生活を送っている」と聞きました。いろいろと心配はあるものの、地理的にも心理的にも距離があり、相談できる親戚もなく、なかなか一歩を踏み出すことができません。このような場合どうしたらよいでしょうか?(50歳代女性)

A.
 それぞれのご家庭で外からはわからない苦労や事情があります。問題のない家族はありません。相談者の場合、どのような事情で疎遠になってしまったのかはわかりませんが、少なくとも現在はご両親のことを心配し、できれば和解したい気持ちになっておられるのではないかと思います。その一方で、これまでのことを悔やんだり、また腹立たしい気持ちが起きてきたりと、葛藤の多い日々を送っておられることでしょう。
 直接連絡を取ることがためらわれ、他に相談する先がない場合、郷里の地域包括支援センター等に相談してみるのはいかがでしょうか?
 「ご両親のお住まいの市町村名」と「地域包括支援センター」で検索すれば連絡先はわかると思います。原則として中学校校区単位に設置され、少なくとも各市町村に一カ所はあるはずです。
 病気や介護のことだけではなく、高齢者に対する詐欺や悪徳商法などの消費者被害への対応のほか、高齢者虐待の早期発見や防止に努めることも地域包括支援センターの役割となっています。
 大事なことは一人で抱え込まず、相談に乗ってくれる人や機関を増やしていく事だと思います。直接ご両親には会えなくても、いちどは郷里に戻り、地域包括支援センターの人に相談してみるだけで、最初の一歩が踏み出せるように思います。
 「過去と他人は変えられないが、未来と自分は変えることができる」という言葉があります。
 相談者の年齢からはご両親も結構なご高齢だと思います。悔いのないように早めに行動されたらよいかと思います。


波乗りクリニック院長 小早川 節先生

■プロフィル
平成10年 山口大学医学部卒業 プライマリケア医・総合診療医
同大附属病院総合診療部を経て、平成26年5月 在宅療養支援診療所「波乗りクリニック」開設
(2018年11月28日 サンデーうべ掲載)