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医療相談Q&A こんなときどうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデーうべ「医療相談Q&A」、サンデーワイド「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。

Q.
眼底検査で加齢黄斑変性の前段階を指摘されました。どうすればよいでしょうか。(77歳、男性)

A.
 加齢黄斑変性は眼底に異常な新生血管が生じて、出血や網膜剥離などを来す疾患です。一度病気が生じてしまうと強い視力障碍を残すことも有るので、予防と早期発見が重要です。
 加齢黄斑変性が発症する前に眼底に「軟性ドルーゼン(眼底の沈着物)」や「網膜色素上皮異常(色素沈着や脱失、網膜色素上皮剥離)」とよばれる前駆病変が生じることが知られています。
 前駆病変が眼底にあると気づかないうちに加齢黄斑変性へと進展する可能性がありますので、定期的な観察が必要です。喫煙は加齢黄斑変性の促進因子ですので、喫煙者では禁煙が望まれます。また、ビタミンC、ビタミンE、βカロチン、亜鉛、ルテインなどを含むサプリメントにより加齢黄斑変性への進展が起こりにくくなることが証明されているので、これらを含むサプリメントの定期的な内服が推奨されます。
 前駆病変の段階では自覚症状が無いことが多いようです。前駆病変の有無は眼科で眼底写真を撮影し、光干渉断層計で網膜の断面を調べることにより判定できます。
 ご心配な方は眼科でご相談ください。

くまがい眼科院長 熊谷 直樹先生

■プロフィル
神奈川県出身 平成2年横浜市大医学部大学院修了 医学博士
ニューヨーク大学医学部留学 横浜市大眼科講師を経て平成8年山口大学医学部眼科に赴任 平成13年より山口大眼科助教授 平成19年くまがい眼科開院 日本眼科学会認定専門医など
(2019年2月27日 サンデーうべ掲載)