Q.
近視の人は目の病気にかかりやすいと聞きました。どういう病気でしょうか?(46歳、女性)
A.
近視は遠くの物がみえにくくなる状態です。通常は眼鏡などで遠くも見えるようになります。しかし近視の程度の強い方では、白内障、黄斑変性、緑内障などの病気が起こることがあります。
@眼底の病変
近視では眼球の前後径が長くなり、これに伴って眼底の網膜や脈絡膜が引き延ばされて委縮したり、眼底出血をしたりする「病的近視」が発症することがあります。眼鏡などで矯正してもよく見えなくなります。治療は病状によって異なりますが、血管新生を抑制する注射によって改善できることもあります。
A白内障
近視の方では水晶体の中央部が混濁する「核白内障」が起こりやすく、近視がさらに進行したり、物がぼやけて見えたり、物が重なって見えたりします。白内障手術で回復できます。
B緑内障
緑内障は視神経が徐々に障害され、徐々に視野が狭くなる疾患です。かなり進行するまで自覚症状がありません。強度近視の方では緑内障が発症しやすく、しかも詳しい検査をしないと発見できないこともあります。
近視の強い方にはこれらの疾患の早期発見のために眼科への受診をお勧めします。
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くまがい眼科院長 熊谷 直樹先生
■プロフィル
横浜市大医学部卒業、同大学院修了 医学博士
横浜市立大学医学部眼科講師、山口大学医学部眼科助教授を経て
平成19年くまがい眼科開院 日本眼科学会認定眼科専門医など |
(2019年7月10日 サンデーうべ掲載) |