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この街この人

地元やまぐちでがんばる人、挑戦する人を紹介します

第2回 ぬくもりと安らぎで子供の成長に寄り添う木製家具

木工職人

鮎川 大樹さん





 なめらかな手触りや香り。人肌の次に心地良い素材と言われる“樹”にぬくもりと安らぎを吹き込み、子供の成長に寄り添った家具を生み出していく。木で表現する家具たちは、加工されてもなお、伸縮や呼吸を繰り返し成長を続ける。
 
 木の虜となったのは、工務店に勤務する大工時代。知れば知るほど心惹かれ、家具職人の道を決意。訓練学校で基礎を学んだ後、家具屋に就職。勤務する傍ら、イベントなどで写真立てやガーデンチェアなどを出店していた。常連客から突然、ダイニングテーブルとイス6脚のオーダーが舞い込んだ際は、今までにない大きな仕事に戸惑いも感じたが、自分の可能性を見込んでくれたお客さんのため、精根込めて作り上げた。納得のいく作品の完成と同時に独立。「ほぞ組」と呼ばれる技法や、大工時代の経験を生かし家具や収納棚、時計、器などさまざまな木工品に取り組む。オーダーを基本とし、その人その人に合った木を選び、調整を繰り返す。

 我が子の誕生を機に、使いやすさにこだわった子供家具ブランド「こどもきいく」を設立。角のない柔らかな造りは、ぶつけた際の痛みを少しでも軽減できればという父親目線から。木目そのものの色を残せるよう、口に入れても安全なクリア塗装を施す。子育ての経験を家具づくりに活かし、子供が安全に楽しく使える家具を追及していく。

 鮎川さんは「温かみのある使いやすい家具をもっと多くのこどもに使ってもらいたい」と呼び掛ける。

 敷地内には、訪れる人に遊んでくつろいでもらいたいとの思いからブランコを設けており、今後はシーソーなどの遊具も増設予定。工房内で行うイベントも考えており、精力的な活動を行っていく。

Shop Data

こどもきいく
TEL:080-1628-3607
住所:宇部市船木3699
時間:平日9:00〜17:00(来店は前日までに連絡を)
定休:不定休
HP:http://kiiku.net/

(サンデーうべ 2017年11月10日号掲載)