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この街この人

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第8回 絵本を通して独自の世界を伝えられる喜び

絵本作家志望 山本 祐美子さん




 真っ白な画用紙に独自の世界を描いていたある日、通っていた絵画教室の先生から絵本を描いてみることを勧められた。本を読むことと絵を描くことが好きだった少女は、いつしか絵本作家になる夢を追いかけ始めた。
 水族館から脱走を図るペンギン、自分勝手なライオンの王様、贈り物を届ける温厚なカメ・・・生き物が好きな少女の作品には個性豊かな動物が数多く登場する。絵に強弱をつけるためにアクリルと顔料を使い分け、立体的で存在感のある描写に仕上げていく。それぞれのキャラクターの表情や動きはいきいきとしていて、気持ちを絵で伝えられるように心掛けている。


 暇を見つけては、身近な鳥や虫などの動き、猫や犬などの毛並みを観察して作品づくりに役立てる。絵本を作り始めたころは、キャラクター先行で作成していたが、ストーリーが思い浮かばずに苦心していたこともある。物語のコンセプトやキャラクターの性格など、いくつかのテーマを設定すべきとのアドバイスを受けたことでストーリーと絵の両方のレベルアップにつながった。小さな子どもも読めるようひらがなで表記し、読みやすさを意識して文字間隔にもこだわっている。
 夢で見たことや頭の中で考えたことを自分の世界観を通して表現でき、それをおもしろいと言ってくれる人がいることが作品づくりのモチベーションにつながるという。今後はより一層技術に磨きをかけ、一般公募のコンクールなどにも精力的にエントリーして、自身の可能性を試していく。

(サンデーうべ 2018年6月8日号掲載)