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この街この人

地元やまぐちでがんばる人、挑戦する人を紹介します

第21回 見る人が楽しい気持ちになれるアニメーションを

アニメーター 岡田 ともかさん


 画面の中から紡ぎ出す素朴で繊細な表情や動き、優しいタッチにどこか懐かしさを覚える。10秒〜5分の短い間にキャラクターに命を吹き込み、ストーリーを落とし込む。
 幼い頃から図画工作をこの美、児童書やジブリ作品のファンタジーな世界にひかれた。物心がつく頃には自然と絵を描く仕事がしたいと思い、美術系の高校へ進学。作品づくりに没頭する中で、自分の描く絵を動かしてみたいという思いが芽生え、大学はアニメーションを学べる美術大へ進んだ。デザイン事務所での経験を経て独立し、今年で3年目になる。
 
 これまでに、企業のPR動画やテレビCM、ミュージックビデオを手掛けてきた。デジタル化が急速に進む時代に、絵の具や紙など素材の質感を生かした手描きのアニメーションづくりにこだわる。その理由に「これまでに見たさまざまな作品の中で一番心を動かされたのがデジタルに頼らないアナログ作品」とし、「自分が感動したものを自分で作りたかったから」と答える。
 キャラクターやモチーフを動かす過程は、地道な作業の連続。動きを作るためには1秒間に8〜12枚の絵や写真を必要とし、少しずつずらしてはカメラで撮影し、動きを表現する。「想像していたものと違えば描き直し、撮影、確認の繰り返し。思った通りにはなかなかできない。」と嘆く。と同時に、それは一番楽しい瞬間でもあるという。「キャラクターが走っている絵を描いていれば自分も走っている気分になり、ケーキを食べている絵を描けば同じものを食べている気分になる」と顔をほころばす。自分だけでなく見ている人も楽しい気持ちになるようにと、キャラクターに思いを託す。
 今後について、「絵に関わる仕事はなんでもしていきたい。また、制作途中の自主作品があるので、それをどこかで発表できれば」と抱負を語った。


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(サンデーワイド 2019年12月13日号掲載)