トップ >好評!連載記事 >仕事熱中人

仕事熱中人

このまちの「仕事熱中人」を毎月ご紹介していきます。

還暦を迎えたブランデーケーキ 昔ながらの製法で今も現役でつくり続ける菓子職人

菓子職人 薬師寺 文夫(創作洋菓子ロイヤル社長)





 創作洋菓子のロイヤルの薬師寺文夫社長がつくるブランデーケーキが、誕生から今年で60年の還暦を迎えた。修業時代の1956(昭和31)年に福岡県知事賞を受賞した自信作だったが、店の顔になるまでに随分と苦労があった。
 今では誰もが知っているブランデーケーキ。73(昭和48)年に宇部で開店した当時は、お酒の入った菓子はなかなか受け入れられずつくっては処分の日々が続いたという。薬師寺社長にとって16歳の時に受賞を果たした思い入れのあるパウンドケーキ。宇部でこの味を何とか広めたいと、採算抜きでつくり続け店頭に並べた。その内1人、2人とファンができた。そのファンがいつの間にかご意見番となり、味の共同開発者となった。そして宇部好みの素朴で味わい深く、風味の良い納得のブランデーケーキが完成した。
 薬師寺社長は御年76歳。今でも先頭に立って修業時代から続くこだわりの製法で、一本一本丁寧につくり続けている。
 
 ここ数年、長男で専務の隆さんが東京を中心に各地へ売り込みを始めた。その味が東京日本橋にある老舗百貨店のバイヤーの目に留まり、特設コーナーやお得意さま展示会などで販売するようになった。昨年1年間で百貨店や通信販売などを合わせて約1万本の注文を受けた。
 60年間、日々試行錯誤しながら仕上げた自慢の品は、時とともに熟成する縁起菓子として、地域を問わず認められた。各地の催事で購入したお客から直接注文を受けることも多く、その味は全国に広がっている。
 
 ★変わらぬ製法で作るブランデーケーキ
  スタンダード・・・1,080円
  プレミアム・・・・2,484円
  ヘネシーXO・・・4,104円

Shop Data

創作洋菓子のロイヤル
【南小串本店】
TEL:0836-33-0100
住所:宇部市南小串本店2−4−2 MAPはこちら

【菓子工房yakushiji】
TEL:0836-53-2233
住所:宇部市あすとぴあ1−2−4 MAPはこちら

(サンデーうべ 2016年6月10日号掲載)