泌尿器科
 第1回:
 過活動膀胱について
 第2回:
 腎臓と糖尿病について
 第3回:
 前立腺癌(がん)の
 腫瘍マーカーPSAに
 ついて
 第4回:
 尿潜血反応って…。
 第5回:
 夜尿症(おねしょ)に
 ついて
 第6回:
 膀胱炎の原因と予防
 第7回:
 膀胱炎の治療と
 治りにくい膀胱炎
 第8回:
 健診と腎臓
 第9回:
 腎臓と高血圧
 第10回:
 高尿酸血症と腎臓
 第11回:
 尿漏れ(尿失禁)
 について
 最終回:
 泌尿器科ってどういう
 ところ?

歯科
 第1回:
 「何故歯ブラシの
 仕方を歯科医院で
 教えるのか」
 第2回:
 「歯周病(歯槽膿漏)
 は、早期発見・早期
 治療!!」
 第3回:
 「痛くない歯を治療して
 痛くなる場合」
 第4回:
 「虫歯の
 できやすいところ」
 第5回:
 「歯を抜けたままに
 しておいてよいか」
 最終回:
 「歯を抜けたままに
 しておいてよいか」(2)


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 泌尿器科のお話

■第7回■
膀膀胱炎の治療と治りにくい膀胱炎


単純性細菌性膀胱炎は、抗生物質(細菌を殺して感染を除去するための薬)の内服で通常は治りますが、再発しやすい病気とも言われています。単純性膀胱炎が慢性化することはありませんが、再発しやすい場合、治りにくい場合には、以下の理由が考えられます。(1)菌が完全に消失していなかった。(2)使った薬の効かない細菌が原因だった。(3)細菌性膀胱炎を起こしやすい原因がある。(4)細菌性の膀胱炎ではない。などです。

 まず、(1) (2)ですが、単純性膀胱炎の8割以上は大腸菌が原因で、通常3〜5日間の抗生物質の内服で菌は死滅します。しかし、最近では、ある腫の抗生物質(ニューキノロン系)の乱用のため、その抗生物質で死なないニューキノロン耐性大腸菌の割合が増えてきていたり、抗生物質が効きすぎて、真菌(カビ)やウイルスによる膀胱炎を起こしたりする場合もあり、尿を顕微鏡で調べたり(尿沈渣)、尿中の細菌培養検査をおこなったりして、膀胱炎の程度にあった抗生物質を使用(種類、量、期間)することが重要です。

 (3)につきましては、膀胱ガンや膀胱結石、膀胱憩室など、膀胱の粘膜が感染をおこしやすい状態の病気を、発見・治療することが必要となります。(4)に関して、問題なのは、間質性膀胱炎の場合です。これは、アレルギーの関与、免疫疾患、神経血管性トラブル、機械的刺激、環境などの要因が考えられているものの、はっきりとした原因が不明で、完全に治癒することが難しい病気です。10000人に1人の頻度で、診断は、症状(膀胱充満時の痛みと頻尿など)と膀胱内視鏡検査の所見で行われます。

 膀胱炎症状=単純性細菌性膀胱炎ではないので、膀胱炎を繰り返す人や治りの悪い人は、専門医による診断・治療が必要です。



[講師]
わたなべ泌尿器科院長 渡辺悦也 先生
■渡辺先生プロフィール
わたなべ泌尿器科(小野田市中川)院長。宇部生まれ宇部市育ちの40歳。日本泌尿器科学会認定の専門医、指導医。日本癌学会、日本癌治療学会会員。




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※この特集は、2005年にサンデー小野田に掲載されたものです。
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