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地元探訪記 Vol.89
『向山の周辺』

2023.10.28

切り通しの東側

 

Vol.52「鍋倉山」の北側、山大病院通りを隔てた尾根は昔から向山(むかいやま)と呼ばれています。国道190号を厚南方面から藤山交差点を経て直進すると、鍋倉山と向山の間を通過します。この切り通しが竣工したのは昭和48年で、非常に硬い岩質のため従来の掘削機では太刀打ちできず、自衛隊の爆破隊による破砕作業で実現しています。難工事を記念する開鑿記念碑が切り通しの西側にあります。

道路貫通前 地理院地図

開鑿記念碑

向山にはいくつも登り口がありますが、車で登れる道はありません。この記念碑がある切り通し西側の階段を上ると、途中に藤山八十八箇所の第60番御堂があります。そこから尾根伝いに蛇紋岩の露頭が目立つ林を抜けると、なだらかな丘の一面が耕作地になっています。以前ここを訪れたとき、畑仕事をなさっている方から戦後の食糧難を乗り切るために開拓が進められたという話を聞きました。

切り通しの西側

階段途中の藤山八十八箇所の御堂

向山を特徴付けるもう一つの風景に、他の場所では見られない奇妙な電柱があります。多くが木製で銘板には昭和25年とあります。私が小学生の頃、産業道路を走っていると向山の方へ真っ直ぐ駆け上がっていくこの配電線が車窓から見えていました。市街部へ電力供給する初期の幹線かも知れません。木製電柱自体は市内にまだかなり残っていますが、その数は段々と少なくなっています。

特徴的な木製電柱

昭和25年建設と分かるプレート

 

文責/宇部マニアックス(山本健二)

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※2023年10月28日に修正・更新した記事です。 お出かけの際はお店の公式サイトやSNSなどで最新の情報を確認してお出かけください。

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