地元探訪記 Vol.92
『宇部岬駅とその周辺』
宇部岬駅の駅舎
駅舎の左側にある池の痕跡
宇部岬駅は水色のセメント瓦が印象的な木造の駅です。屋根や窓は後年改変されていますが、駅舎自体は大正期の築造です。駅舎入り口とホーム側の柱に大正12年7月と記録された建物財産標がみられます。鉄道が宇部新川から床波まで延伸され宇部岬駅が開業したのは大正12年8月のことでした。
大正12年7月を示す標記
改札口からホーム
駅ホームより西側
木造駅舎は顕著に減っています。琴芝駅は4年前に取り壊され簡素な待合室に変わりました。多くの撮り鉄さんが列車に注目するのに対し、宇部マニさんは踏切や橋など鉄道構造物ばかり撮影しています。毎度ながら如何にも異端児です。
陸橋より駅舎を撮影
あまり知られていませんが、宇部岬駅は中国地方最南端の駅です。山陰本線の梅ケ峠駅には本州最西端の掲示がありますが、宇部岬駅には何もありません。しかし鉄道好きには注目すべき題材と思います。更に調べたところ草江宇部岬駅間に鉄道経路として更に南へ寄る地点があり、大体の場所を突き止めています。当然現地には何もなく、ここまで来るとかなりマニアックです。
宇部線上の最南点
宇部岬駅はかつて石灰石輸送を担っていた東見初専用線の折り返し点でした。貨物を切り離し、上下線を使って機関車を入れ替える風景をご覧になった方も多いかも知れません。東見初専用線は既に殆どの区間でレールと枕木が除去されています。一連の情報に接すれば、ありきたりな宇部岬駅や周辺の鉄道経路が新鮮に思えてくるでしょう。
宇部線と東見初専用線の分岐地点
文責/宇部マニアックス(山本健二)
宇部マニアックス ウェブサイト
http://ubemaniacs.main.jp
情報提供・問い合わせ
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※2024年01月27日に修正・更新した記事です。 お出かけの際はお店の公式サイトやSNSなどで最新の情報を確認してお出かけください。