地元探訪記 Vol.102
『藤山八十八箇所』
中山観音にある第1番
八十八箇所と言えば四国の巡礼が有名です。これを元にした八十八箇所巡りが全国的に存在し、市内にも各地区や寺社内に仏像を据え付けた八十八箇所があります。その中で藤山地区にあるものは異質です。
藤山八十八箇所は、白岩公園(Vol.5)を創立した笠井良介が炭鉱で得た収益を地元還元する形で始められました。当時藤山村内にあった戸に弘法大師と立像を寄託して祀らせたものです。立像は四国八十八箇所にある寺院の本尊が選ばれています。一対の像は共通ですが、御堂は各戸で製作されたようでレンガ造りや木造などバラエティーに富んでいます。
私が現在のような活動を始めた十数年前から、藤山地区には御大師様を祀った御堂が多いことに気付いていました。その当時から看る人が居なくなって荒野に取り残された御堂や、一部の石像が喪われたり御堂自体が消失しているものもありました。白岩公園の東側にある第6番は、完全に倒壊した状態で発見されています。
遠い四国へのお遍路実現が難しかった昔は、村内で八十八箇所を巡って信仰心を高めると共に庶民の娯楽でもあった筈です。私自身、十年近く前にたまたま通りかかった御堂の民家でお茶菓子の接待を受けたことがあります。見ず知らずの人に施すという習慣と共に、藤山八十八箇所が歴史の彼方へ消えてしまうことを懸念します。
笠井氏名と創立年の文字
白岩公園の開設記念塔台座
白岩公園御堂(第6番)
移設された(第37番)と(第47番)御堂内部
番号入りの御堂(第50番)
番号入り(第64番)と西宮八幡宮付近(第68番)
近接している御堂(第82番と第83番)
文責/宇部マニアックス(山本健二)
宇部マニアックス ウェブサイト
http://ubemaniacs.main.jp
情報提供・問い合わせ
sta_vanilla@hotmail.com
※2024年11月30日に修正・更新した記事です。 お出かけの際はお店の公式サイトやSNSなどで最新の情報を確認してお出かけください。