地元探訪記 Vol.112
『栄町通り(市道栄町線)』
市役所前交差点
立体駐車場から
常盤通りの市役所前交差点から総合庁舎前の三差路に至る4車線幅の道は市道栄町線と呼ばれます。名称に馴染みが薄いかも知れませんが、市役所立体駐車場の前の道です。昔は栄町通りと呼ばれていたようで、宇部線の踏切にその名がみられます。踏切前後の直線の道は大正期からありましたが、海岸通りから現在の常盤通りを横切り緑橋通りに下る道ができたのは昭和8年のことです。それ以前は入り組んだ道しかなく、海岸通りから一続きの道を造る計画が榮町通貫通道路開設案として昭和4年に議決されています。
栄町通踏切
大正期の宇部市街図
昭和11年発刊の地図(T字路前)
道路用地は土地所有者の寄付を仰ぎましたが、工事予算六千円は市からの補助では足りず寄付金が必要でした。当時は不景気のどん底で、寄付に苦情が多数寄せられました。中には「自分はそんな道は通らない」と寄付を渋った人もありました。委員会が渡邊祐策を訪ねて五百円の寄付をお願いしたとき、翁は黙って一筆書き「足らねば言ってくれ。少々はどうにでもなる」と返答しています。現在ある宇部港までの県道と市道栄町線は、この経路を拡張してできたと考えられます。
9月に市役所市民交流棟が完成し周囲の景観は大きく変わりました。現在は電線共同溝の工事が進められています。渡邊翁をはじめ当時の市民の寄付で整備された栄町通りは、現代社会の要望に沿って更に進化していきます。
在りし日の栄町線(2012年)
現在の総合庁舎前T字路
文責/宇部マニアックス(山本健二)
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※2025年09月25日に修正・更新した記事です。 お出かけの際はお店の公式サイトやSNSなどで最新の情報を確認してお出かけください。