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地元探訪記 Vol.69
『消えゆく昔の路地』

2022.02.25


庚申塚のある路地

子どもの頃よく遊んでいた場所へ久し振りに訪れたら、空き地や路地が住宅地に変わっていて昔の面影がなくなっていた…という体験をお持ちの方は少なくない筈です。旺盛な宅地需要に支えられて、街の新陳代謝は加速しています。

昔の移動手段は徒歩主体でしたから、耕作地や敷地を広く確保して通路の幅は最小限に抑えられました。隣接する民家の軒が接しそうな間やブロック塀が衝立(ついたて)のようにそびえる狭い路地は、今も市街部周辺にかなり遺っています。

都市計画区域では幅4m以上の道路に接していない敷地に家は建てられないので、古い民家が解体された後に敷地と路地のみ遺っている場所が数多くあります。すべての民家がなくなった後、周辺の空き地や路地を取り込む形で車が入れるように再開発されます。この過程で路地は形を変え、垣根や由緒ある桃色レンガ塀などもしばしば取り壊されます。

安全な街造りのためにも、古い街並みの新陳代謝を止めることはできません。Vol.7で紹介した「島の石畳道」のように、島地区には今も古い路地が遺っていますが、将来的な再開発で消失するのではと懸念されています。遙か昔から在り続けた路地も一掃され、どこも同じような風景に変わってしまうのでしょうか。市内に景観保全地区のようなエリアが存在しないことを残念に思います。


床波にあった狭い路地


島の石畳坂


板塀の連なる路


奇妙な折れ点のある路地(居能町)


瓦の破片が散らばる坂道(東梶返)


通る人が居なくなった路地(恩田町)

文責/宇部マニアックス(山本健二)

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※2022年02月25日に修正・更新した記事です。 お出かけの際はお店の公式サイトやSNSなどで最新の情報を確認してお出かけください。

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