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地元探訪記 Vol.93
『善和橋』

2024.02.24

国道490号を北上して瓜生野に向かうとき、山陽本線の跨線橋を過ぎた先で善和川を渡ります。このとき山陽本線との間に一瞬見える古めかしい橋が昔の善和橋です。その橋の南側は跨線橋の下まで道が続いています。

国道490号の善和橋

バス停も国道の橋も善和橋

現在は通行止めの旧・善和橋

この道は、渡邊祐策翁が提唱した南北道路の一部です。渡邊翁は琴崎八幡宮に向かう参宮道路から更に小野や大田を経て日本海まで出る道造りを考えていました。地元有力者の協力も得て、建設当時は宇部市外だった二俣瀬や小野の道路整備に私財を投じています。善和橋もこのときの昭和6年に架けられました。

昭和中期までの橋は両岸に接続する部分に石材が敷かれているものが多いのですが、旧善和橋は石材が現れず橋の前後が地面と一体化しています。この造りは丸太を渡した上に土を被せた最初期の土橋を思わせます。欄干の端にある「善和橋・よしわはし」の文字は、渡邊祐策翁による揮毫です。慎み深い渡邊翁のことですから、地元民に推されてこの文字を書いたのでしょうか。漢字表記の善和橋の文字に温かみを感じます。

橋の前後が地面と一体化

橋柱表記

下流側の基礎が傷んでいる

真下から橋脚を撮影

建設から一世紀近く経った善和橋は傷みが酷く、安全に通行できる状態にないため去年の3月から通行止めになりました。高欄の下が抉れていて、この部分から崩れそうな状態です。今後もし豪雨などの災害で橋を撤去せざるを得ない状況になった場合も、象徴的な高欄を保存して頂けたらと思います。

文責/宇部マニアックス(山本健二)

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※2024年02月24日に修正・更新した記事です。 お出かけの際はお店の公式サイトやSNSなどで最新の情報を確認してお出かけください。

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