富士産業（山陽小野田市稲荷町１０-２３、電話８１－１２２２）は、このほど山陽小野田市稲荷町４－２０に富士商リテールサービスの新社屋を建設した。地域に密着したサステナブル建築として設計・施工。国の省エネ評価制「ＢＥＬＳ（ベルス）」星５つを取得し職場環境と働きやすさの向上を兼ね備えた持続可能な建物になっている。

建物は木造建築２階建て。木造の温かさと機能性を両立させた事務所で、調湿・脱臭・抗菌などの木の特性や効果に注目したことに加え、梁（はり）や筋交さを露出させた真壁工法を採用し、空間に自然の温もりを持たせている。

また、省エネ性能を満たした建材や太陽光発電や蓄電池などを使用。天候に左右されないエネルギーとして注目されているジオパワー（地中熱利用換気システム)をエントランスホールと応接室に採用している。共用廊下には、暗くなりがちな場所にも柔らかい光を届けるトップライトを配置。ミーティングスペースは壁を全面ガラス製とし、間接照明を設けることで、明るく落ち着いたエリアを形成した。

木造ならではの断熱・日射遮蔽（しゃへい）を施すことで、光熱費の削減など省エネ性能点が評価され、国が制定している省エネルギー性能に特化した評価で、最高ランクに近い星五つの評価を得た。設計・施工を担当した富士産業の金澤部長は「現在、環境やコスト面への配慮から国も主導する木造建築が注目されています。せっかくの木造なので従来の無機質なイメージを払拭し、木造の良さを前面に出したオーガニックな温かみのある職場を提供したいと考えました。外観は水平ラインを強調した開口部、設えに木柱や筋交いが浮かびあがるデザインとし、一見すると事務所らしくない建物を目指しました」と話す。

富士商リテールサービス新社屋の外観（提供）