地元探訪記 Vol.98
『二反田堤』
二反田堤溜め池の全体像
新川地区にある二反田堤は、市街部から比較的近くにある大きな灌漑用溜め池です。流入する主な河川はなく、小串台や桃山周辺からの雨水を集めています。小串から中山方面へ向かう県道琴芝際波線がかつて宗隣寺上バス停先で大きく左カーブしていたのは、二反田堤の東側にある急斜面を迂回していたからです。
堰堤とバス停
バス停横の標識柱
県道から二反田堤へ降りる道が数本ありますが、いずれも急な下り坂です。この辺りはかつて後山と呼ばれていたようで、享保19年(1734年)に作成された小串村地下図に「ウシロ山」「二たん田つゝミ」の記載がみられます。このことより二反田堤は享保年間には既に存在していたように思われます。同じ絵図には二反田堤の西に「やけ石ツゝミ」と読める溜め池が書かれていますが、周辺を調べても焼石堤があった場所を特定することはできませんでした。
地下図にみられる二反田堤 ※出典:山口県文書館資料
最近、二反田堤の最後の用水需用者が耕作を終了したという話を聞きました。この溜め池は広くて浅い皿池なので、埋められて住宅地に変わってしまうのではと気になっています。焼石堤はかなり早い時期に消滅し、藤山地区の神田池や上宇部地区の坊主堤も十年くらい前に埋められて住宅地になりました。Vol.69「消えゆく昔の路地」と同様、写真などで記録しておかなければ、将来的に溜め池だけでなく昔の地形を知るのも難しくなるのではと思います。
水位が下がると現れる木の柵
雪景色
坊主堤
神田池
文責/宇部マニアックス(山本健二)
宇部マニアックス ウェブサイト
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※2024年07月26日に修正・更新した記事です。 お出かけの際はお店の公式サイトやSNSなどで最新の情報を確認してお出かけください。