Q.
胃切除後ですがめまいがあります。貧血でしょうか?(64歳・女性)
A.
貧血の症状は動悸、息切れ、めまい、倦怠感などです。微熱が出ることもあります。
よく見られるのは鉄欠乏症で原因は胃、大腸の潰瘍や癌や子宮筋腫、痔などがあります。胃切除後やダイエット、妊娠中、成長期などにも見られます。
ビタミンB12や葉酸欠乏症によるものは、悪性貧血と呼ばれています。この他、慢性腎不全によるもの、リウマチなどの慢性炎症や悪性腫瘍に伴うものもあります。
白血球、赤血球、血小板などすべての血液が減少する再生不良性貧血や薬剤などによる溶血性貧血、白血病などの血液疾患もまれにあります。
診断には血清鉄、フェリチン、ビタミンB12、葉酸、腎機能などの検査をし、顕微鏡による血液像の検査や骨髄穿刺などが必要な時もあります。よく見られる鉄欠乏性貧血には鉄剤の服用と肉、魚、レバーなどをとり、ビタミンCは吸収を高めます。
Aさんの場合、鉄欠乏性の他にビタミンB12欠乏症による貧血も考えられ、その場合は1、2ケ月に一度ビタミンB12の注射が必要です。
まずは血液検査を受けてみて下さい。
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吉中内科医院院長 吉中 博志先生
■プロフィル
金沢大学医学部卒業。山口県立中央病院、山大内科系大学院、宇部興産中央病院などを経て昭和60年に開業。日本臨床内科学会専門医。
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(2018年7月7日 サンデーうべ掲載) |