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　糖尿病の治療を受けています。足にしびれがあり、治りません。良い方法はないでしょうか？


　糖尿病の代表的な合併症の一つに神経障害があります。両側の足先から始まるしびれ感は典型的な症状であり、次第に中心側に進展します。高血糖による直接の神経ダメージと糖尿病の細小血管障害による血流障害が主因です。糖尿病となって５年経過すると合併し易くなりますが、病院で糖尿病の診断となった時にはすでに神経障害を認めていることが少なくありません。一度合併すると改善させることは容易ではありませんが、糖尿病を良好な状態で維持できなければ、改善は望めません。

　視力や腎機能障害等の糖尿病合併症程には恐れられないことが多いのですが、神経障害も悪化すれば、激しい痛みとなることもありますし、感覚が鈍磨し足の傷に気付かず重症となることもあります。自律神経が障害されると日頃から胃腸障害や立ちくらみ等が問題となり、生活の質低下につながります。

　近年にいくつかの有望な治療薬を使えるようになりましたので、症状・状態に合わせて薬を使い分けますが、神経障害全般に対して早々に効果を示すものではありません。一足とびには行きませんが、糖尿病を良い状態で維持できるように頑張りましょう。

	有好内科クリニック院長　有好　浩一先生 ■プロフィール 平成６年：山口大学医学部卒業　医学博士　山口大学附属病院病棟院長、併任講師を経て、平成２５年有好内科クリニックを開院。 日本血液学会専門医・指導医
（2016年8月10日　サンデーうべ掲載）