Vol.108
『何処か懐かしい妻崎駅』
駅舎入り口
原ふれあいセンターと市立原保育園の近くにある妻崎駅は、Vol.92で紹介した宇部岬駅と同様の木造駅舎です。現在の小野田線の前身である宇部電気鉄道が昭和4年に開業したときに建設され、これは大正12年開業の宇部岬駅よりも少し後です。しかし駅舎をはじめ関連する構造物には、初期の鉄道らしい部分が多く残されています。
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建物財産標
一番の特徴は、駅舎と線路が同じ高さになっている点です。大抵の駅舎は、列車の乗降口に合わせて線路より高く盛った上に造られます。ところが妻崎駅では改札を出ると柵を隔てて線路が同じ高さにあり、初めて訪れた人には奇妙な風景に映るかも知れません。駅舎から張り出したスレート屋根と木製の柱から成る通路部分が線路と同じ高さであるせいか、私は豪雪地帯に特有な雁木造を連想して何処か懐かしさを感じました。
線路と駅舎が同じ高さ
妻崎駅は列車が行き違う駅で、中央のホームから乗降します。駅舎とホームの往来は陸橋ではなく、昔ながらの構内踏切を渡ります。現在では列車の交換可能な駅の殆どに陸橋があり、構内踏切でホームに渡るのは市内では他に岐波駅だけです。陸橋がなく駅舎自体も小さめで周囲と同じ高さのせいか、全体がスッキリとした印象を受けます。鉄道としての利用は伸び悩んでいるようですが、鉄道開業当時に近い姿を残している妻崎駅は、原地区の小さな観光資源だと思います。
構内踏切とホーム
古風な通風口と模様入り窓ガラス
駅舎・右端に待避線
文責/宇部マニアックス(山本健二)
宇部マニアックス ウェブサイト
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※2025年05月30日に修正・更新した記事です。 お出かけの際はお店の公式サイトやSNSなどで最新の情報を確認してお出かけください。