Q.
30代の女性です。最近、コンサートや空港などに行った時に麻疹に集団感染する例を幾つか耳にしました。自身も仕事やプライベートで空港などを利用する事もあるので気になっています。どうすればいいのでしょうか。
A.
麻疹は、一般的な感染症の中では最も感染力が強いことが知られています。インフルエンザに感染した人は、周りの1〜2人に感染させる可能性があるのに対して、麻疹を発症した人は、周りにいる麻疹に免疫のない12〜18人もの人達に感染させる可能性があります。麻疹を発症した初期には鼻水、のどの痛み、咳などの風邪のような症状がでることが多く、この時期をカタル期と呼んでいます。麻疹の感染力が最も強いのは、発疹がでるまえのカタル期の時です。つまり、本人が自覚のないまま、他の人に感染させる可能性もあります。発熱や発疹などの麻疹が疑われる症状があるときには、まず最寄りの保健所か医療機関に電話して相談をして下さい。そして、病院までの移動時には、マスクを着用して下さい。麻疹を発症した場合の、直接の治療薬はありません。麻疹は、肺炎や脳炎などの合併症を起こすことがあるので、症状が軽快するまでは注意深く症状を観察する必要があります。興味があれば、お近くの医療機関にご相談して下さい。
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金沢守クリニック院長 金沢 守先生
■プロフィル
平成2年:山口大学医学部卒業
山口大学医学部附属病院、宇部記念病院、阿知須同仁病院などを経て平成23年9月7日「金沢守クリニック」を開業
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(2016年10月12日 サンデーうべ掲載) |