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医療相談Q&A こんなときどうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデーうべ「医療相談Q&A」、サンデーワイド「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。

Q.
高血圧、高脂血症で加療中の70歳男性ですが、心臓の雑音を指摘されエコーで動脈硬化により大動脈弁が石灰化しており、軽度の大動脈弁狭窄症と診断されました。どのように対応すればよいのでしょうか?

A.
 大動脈弁狭窄症の原因として、リウマチ性、先天性二尖弁、動脈硬化がありますが、最近は高齢化で動脈硬化性が増加してきています。狭窄の進行には、個人差がありますが、一般的にはゆっくりで症状出現まで長い潜伏期間があります。呼吸困難、狭心痛、失神が3大症状で、自覚症状の出現が予後の大きな転換点になります。症状出現後平均余命は2〜3年といわれています。この時期では基本的に手術を考慮することとなります。
 あなたの様に、狭窄が軽度で無症状の場合も、適切な手術時期を逃さないためにもエコーによる定期的な評価が必要です。動脈硬化の危険因子の管理も必要です。弁膜が最近に感染する感染性心内膜炎という病気を起こしやすいので、歯周手術などの歯科処置、扁桃腺摘出術、膀胱鏡検査などの手技を行う場合は、予防のための抗生剤の予防的投与が必要と考えられています。

宇部仁心会病院院長 松本 奉先生

■プロフィル
平成2年 山口大学医学部卒業 平成9年山口大学大学院より医学博士授与 山口大学医学部付属病院、山口労災病院、美祢市立病院等で勤務
平成20年ひろなか内科循環器科開院 循環器専門医 内科認定医
(2019年9月25日 サンデーうべ掲載)