Q.
帯状疱疹のワクチンがあると聞きましたが、接種した方が良いですか?
A.
今後、帯状疱疹発症者が増えるのではないかと憂慮されています。帯状疱疹は、水ぼうそうに罹患すると、治癒後もウイルスが体の奥に潜んだ状態となるため、免疫力が低下した際に再度ウイルスが活性化し、発症に至る疾患です。通常は左右どちらか片方の皮膚に、所属神経の支配領域に一致して帯状に痛みと皮疹を認めます。初期には痛みのみで皮疹を認めず、診断が難しい場合もあります。後日に強い神経痛を残す事があり、数ヶ月から時には数年に及ぶことがあります。身近な子どもが水ぼうそうを発症すると、それが刺激となり、大人のウイルスに対する免疫力を活性化させ、帯状疱疹発症を抑制していると考えられています。しかし、2014年から水ぼうそうワクチンが幼少期の定期接種となり、翌年から顕著に水ぼうそう発症者が減少しています。今後は大人の免疫力が活性化を受ける機会が少なくなるため、帯状疱疹発症者の増加に注意が必要です。帯状疱疹予防のワクチンは免疫力を高める有効な手段であると考えられています。
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有好内科クリニック院長 有好 浩一先生
■プロフィル
平成6年:山口大学医学部卒業 医学博士 山口大学附属病院病棟院長、併任講師を経て、平成25年有好内科クリニックを開院。
日本血液学会専門医・指導医 |
(2017年7月26日 サンデーうべ掲載) |