Q.
今まで特に心臓の症状もなかった家族が、最近心筋梗塞になりました。心臓病を早期に発見するためには何か有用な方法はありますか?
A.
心臓病は悪性腫瘍、脳卒中と並ぶわが国の三大疾患の一つです。心臓病の中でも、狭心症や心筋梗塞などにより引き起こされる虚血性心疾患は突然死の原因となっており、生活習慣病の増加とともに40〜50代の働き盛りの年代に発症しやすい病気になってきました。
例えば、狭心症は無症状なこともあり、自分では気づきにくい病気の一つです。放っておくと心筋梗塞を引き起こすこともあり、最悪の場合は死に至ることもあります。心筋梗塞についても2〜3割の人は痛みの無い無痛性心筋梗塞であり、自覚症状も前兆もなく突然死してしまう場合もあります。
虚血性心疾患には、動脈硬化が深く影響していますが、通常の健康診断ではなかなか異常を発見する事が難しく、そのほとんどは自覚症状がない間に徐々に進行していきます。
近年、造影CTで心臓の血管の動脈硬化が検出できるようになりました。早朝に動脈硬化を発見することができれば、比較的容易な治療で改善することが出来るため、早いうちに発見し、治療を開始することが何より大切であると考えます。
動脈硬化の危険因子である高血圧、糖尿病、脂質異常症を指摘されたことのある方、喫煙歴のある方、肥満のある方、家族の中に心筋梗塞、狭心症などの方がおられる方は、早期に必要な検査を受けられるようお奨めいたします。
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宇部仁心会病院副院長 橋本 弦太先生
■プロフィル
山口大学医学部卒業、日本内科学会認定医・日本循環器学会専門医
≪所属学会≫日本内科学会・日本循環器学会・日本心臓病学会・日本心血管インターベンション治療学会 |
(2017年1月11日 サンデーうべ掲載) |