Q.
2か月前に真っ赤な尿が1回出て、先日また出ましたが止まりました。痛みもなにも無いので、血液サラサラの薬を飲むためかとも思いますが、不安です。(67歳、男性)
A.
血尿には、肉眼では判らないが顕微鏡や潜血反応で見つかる「顕微鏡的血尿」と肉眼でも赤っぽく見える「肉眼的血尿」があり、この方は「肉眼的血尿」です。正常では尿に血液は混じりませんから、なんらかの出血を意味しており止まったからと安心せずに出血・血尿の原因を検査する必要があります。尿路結石や女性に多い膀胱炎でも血尿になりますが、痛みなどの症状があります。むしろ症状のない血尿のほうが重要です。膀胱、腎臓、腎盂、尿管、前立腺(男性)などに癌ができている事があるからです。癌は初期に痛みなどの症状はありません。血尿で気付かれる場合が多く、血液サラサラの薬(抗凝固剤)は出血し易くなるので、小さい癌でもより早く気付くと言えるかもしれません。
逆に組織検査(生検)や内視鏡(膀胱鏡)検査は特に男性ではすぐには困難で、超音波エコーやCT、X線、画像検査が主になり、小さい癌だと発見、診断に限界を生じます。また一旦出血しだすと容易には止血できなくなります。まずは早々に、専門である泌尿器科への受診をお勧め致します。
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いそやま泌尿器科クリニック院長 磯山 理一郎先生
■プロフィル
昭和56年:熊本大学医学部卒業 山口大学医学部講師(泌尿器科)
平成2〜12年:宇部興産中央病院(泌尿器科部長)
医学博士 日本泌尿器科学会専門医 日本透析医学会専門医 |
(2018年5月9日 サンデーうべ掲載) |