Q.
風邪をひいて、市販のかぜ薬を飲んでいたら、尿が出にくくなりとてもつらかったです。やめたら徐々に元に戻りましたが、どうしてでしょうか?(71歳、男性)
A.
いわゆるかぜ薬(総合感冒薬)には、尿が出にくくなる成分が含まれていることが多く、普通はあまり問題ありませんが、高齢男性や排尿障害のある方にはかなり強く影響が出ます。ひどい場合は、急性尿閉と言って一滴も尿が出なくなり、医療機関で管(カテーテル)を使って尿を出してもらう処置(導尿)が必要になることもあります。この方の場合はおそらく高齢男性に多い、膀胱の出口にある前立腺が肥大した前立腺肥大症(もちろん前立腺癌のこともあります)があるのでしょう。徐々に進行するため自覚症は乏しいのですがもともと隠れた排尿障害があり、それが増悪強調されたものと思われます。一度泌尿器科で検査されることをお勧めします。なお、かぜ薬の他にも咳止め、痒み止め、不整脈や胃の薬の一部、睡眠改善薬なども排尿障害があるときには同様に注意が必要です。また脳梗塞や麻痺がある場合や、お酒の飲み過ぎ、女性でも頻尿や尿失禁の薬を飲んでいると同じようになりますので気を付けて下さい。
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いそやま泌尿器科クリニック院長
磯山理一郎先生
■プロフィル
昭和56年:熊本大学医学部卒業
山口大学医学部講師(泌尿器科)
平成2〜12年:宇部興産中央病院(泌尿器科部長)
医学博士 日本泌尿器科学会専門医 日本透析医学会専門医 |
(2018年2月7日 サンデーうべ掲載) |