Q.
緑内障があり、3種類の点眼液を継続しています。最近、両目の痒みと充血があり、なかなか治りません。少し目やにも出ます。どうすればよいでしょうか?
(67歳、男性)
A.
緑内障の点眼薬によるアレルギー性結膜炎の可能性が最も高いと思います。慢性疾患である緑内障に対しては、同じ点眼液を長期間に渡って点眼し続けることが多く、このために点眼液のアレルギーがしばしば生じます。点眼液のアレルギーは点眼を開始してから3、4ヶ月以上たってから生じることが多いので、多くの患者様は点眼液が原因とは疑わないようです。
自覚症状としては、長期間治らない両目の痒み、目やに、充血が多く見られます。目の検査をしてみると両眼の充血と共に上下の眼瞼結膜(赤目)に小さな半透明な隆起(ろ胞)は数多くみられるのが特徴です。
一度、点眼液のアレルギー性結膜炎が生じると、自然に治ることはありません。また、アレルギーを抑える点眼液や結膜炎に対する点眼液などを投与しても無効で、原因となる緑内障治療の点眼液を中止しない限り治りません。点眼液を中止すれば約2週間で治癒します。
緑内障治療中の方で、痒み、充血、目やにが継続する方は眼科でご相談ください。
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くまがい眼科院長 熊谷 直樹先生
■プロフィル
神奈川県出身 平成2年横浜市大医学部大学院修了 医学博士
ニューヨーク大学医学部留学 横浜市大眼科講師を経て平成8年山口大学医学部眼科に赴任 平成13年より山口大眼科助教授 平成19年くまがい眼科開院 日本眼科学会認定専門医など |
(2017年8月23日 サンデーうべ掲載) |