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医療相談Q&A こんなときどうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデーうべ「医療相談Q&A」、サンデーワイド「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。

Q.
 パーキンソン病でアマンタジンを内服中です。最近、両眼が霞んで見えるようになりました。どのようなことが考えられるでしょうか?(68歳、男性)

A.
 アマンタジン(シンメトレル、アテネジン)はパーキンソン病、脳梗塞後遺症、A型インフルエンザなどに用いられる薬剤です。アマンタジン内服中に視力障害を生じた場合には、角膜障害の確認が必要です。
 アマンタジンの投与初期に表層角膜炎を生じて、ぼやけて見えるように感じることがあります。これは涙液中に分泌された薬剤により角膜上皮が障害されるためと考えられています。
 また、アマンタジンを長期間服用すると角膜の裏にある角膜内皮細胞が少しずつ減少することが報告されています。殆どの方ではこのことによる異常は生じませんが、もともと角膜内皮細胞数が少なかった方などでは角膜に浮腫が生じて白濁し、強い視力障害を生じます。浮腫が生じても、早期に薬剤を中止すれば改善しますが、進行すると手術治療が必要な場合もあります。アマンタジンを投与する際には角膜の健常性を定期的に確認すべきとの考えもあります。
 アマンタジンを内服中に視力低下を自覚した場合には眼科にご相談ください。


くまがい眼科院長 熊谷 直樹先生
■プロフィル
神奈川県出身 平成2年横浜市大医学部大学院修了 医学博士
ニューヨーク大学医学部留学 横浜市大眼科講師を経て平成8年山口大学医学部眼科に赴任 平成13年より山口大眼科助教授 平成19年くまがい眼科開院 日本眼科学会認定専門医など
(2018年1月10日 サンデーうべ掲載)