Q.
76歳、女性。同居している孫が昨日38度の発熱で病院を受診、インフルエンザの診断でした。今朝から身体がだるく食欲がないのですが熱は36.9度と高くありません。インフルエンザの検査を受けたほうがよいのでしょうか?
A.
今年もインフルエンザの季節がやってきました。12月に入り宇部市内の報告も増えてきています。インフルエンザはかぜ症候群の一つで全身症状や高熱を伴う点が普通感冒と異なります。典型的な症状は、突然の発症、38度以上の高熱、上気道炎・呼吸器症状、全身症状です。しかしなかには年齢や型などによって発熱なく発症するケースもあります。現時点ではB型インフルエンザの流行が優位のようですので、A型よりも高い熱は出ないようです。インフルエンザワクチンの普及、また高齢者でも発熱頻度は低いと言われます。ですから熱がなくても家族にインフルエンザ発症が確認されればまずは感染の予防、そして倦怠感など自覚症状が出れば検査を受けたほうが良いと思います。インフルエンザは感染しやすく、30%が家族内発症だと分かっています。治療薬も確立してきており、インフルエンザ肺炎など重症化を防ぐためにも早めの治療が功を奏すると考えます。
ところで診断について「発熱後すぐではインフルエンザ陰性だったが症状が続くため翌日再度検査すると陽性だった」という話をよく聞きます。迅速診断キットは簡便で広く医療機関で使用されています。しかし、インフルエンザ発症早期のウイルス量が少ない時期には陰性となることがあり、半日以降に再検すると陽性となることが散見されます。診断を受けた時点ですぐに治療を開始することが大切です。また発症6時間以内に受診された多くの症例は迅速診断キット陽性との報告があり、早めの検査自体は有用です。
寒さ厳しくなる折、体調悪化を感じたら早めの病院受診をお勧めします。
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サンポプラ病院院長 南園 宗子先生
■プロフィル
平成6年 山口大学医学部卒業 日本腎臓学会専門医 日本透析医学会専門医 日本内科学会認定医 日本医師会認定産業医(所属学会:日本腎臓学会、日本透析学会、日本内科学会、日本糖尿病学会) |
(2017年12月27日 サンデーうべ掲載) |