Q.
顔面の皮膚に発赤、水疱ができて皮膚科で帯状疱疹と診断されました。眼への影響はあるのでしょうか?(74歳、男性)
A.
体の神経節に潜伏している水痘・帯状疱疹ウイルス(水ぼうそうのウイルス)が再活性化して、皮膚の痛みを伴う発赤、水疱を生じるものが帯状疱疹です。帯状疱疹は体中どこでも起こりえますが、顔面〜額を支配する三叉神経の眼神経領域に発症した場合には、眼病変を伴うことがあります。鼻の周りに皮疹があると眼病変の頻度が高くなります。帯状疱疹はどの年齢でも起こりえますが、50歳を過ぎると頻度が高くなります。
帯状疱疹の眼の症状としては眼瞼炎、結膜炎、上強膜炎、角膜炎、ぶどう膜炎などがあります。眼痛、充血、視力障害などの症状が起こることがあります。
眼病変の治療として抗ヘルペスウイルス薬の眼軟膏の投与が行われます。角膜炎やぶどう膜炎に対しては更にステロイド点眼液の投与が行われることもあります。
眼周囲の帯状疱疹では半数以上の方で眼病変を併発します。皮膚科で帯状疱疹と診断された方は、眼科への受診をお勧めします。
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くまがい眼科院長 熊谷 直樹先生
■プロフィル
横浜市大医学部卒業、同大学院修了 医学博士
横浜市立大学医学部眼科講師、山口大学医学部眼科助教授を経て
平成19年くまがい眼科開院 日本眼科学会認定眼科専門医など |
(2020年4月8日 サンデーうべ掲載) |