Q.
緑内障で加療中です。両眼ともに上半分の視野がよく見えません。最近白内障が生じ視力が低下してきました。白内障手術で視力改善するでしょうか?(70歳、男性)
A.
緑内障と白内障は発症する年代が同じなために、しばしば合併します。
視力低下の原因が白内障による水晶体の混濁の場合には白内障手術で視力が改善しますが、緑内障で視神経が傷んでしまって視力が低下した場合には十分な改善が得られません。
視力低下の原因が白内障なのか緑内障なのかは、視野検査や光干渉断層計による眼底検査などを行えば推定することが出来ます。緑内障によって視力が低下するのは、視神経障害や視野狭窄がかなり進行した場合に限られます。また、緑内障が安定してない方では、白内障手術前の点眼液による眼圧のコントロールや、白内障と緑内障の同時手術が必要な場合もあります。
ご質問いただいた上半分や下半分の欠損の場合には、手術によって視力の改善が得られる事が多いと思われますが個人差もあります。かかりつけの眼科でご相談ください。
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くまがい眼科院長 熊谷 直樹先生
■プロフィル
神奈川県出身 平成2年横浜市大医学部大学院修了 医学博士
ニューヨーク大学医学部留学 横浜市大眼科講師を経て平成8年山口大学医学部眼科に赴任 平成13年より山口大眼科助教授 平成19年くまがい眼科開院 日本眼科学会認定専門医など |
(2018年5月23日 サンデーうべ掲載) |