Q.
昔は「熱射病」と言っていましたが、最近は「熱中症」という病名をよく見聞きします。「熱射病」と「熱中症」はどう違うのですか。(78歳男性)
A.
年代的には「熱射病」に馴染みがあると思いますが、最近は高温の環境で生じる症状や体の障害を「熱中症」といいます。医療者はT〜V度に分類することが多いのですが、「熱中症」は症状によって、熱けいれん、熱失神、熱疲労、熱射病に分類されることがあります。「熱中症」は「熱射病」を含む総称とご理解ください。
さて、昔と今では、暑さが違います。地球温暖化の影響もあり、真夏日、熱帯夜が多くなっています。また、昔の長閑(のどか)な風景と違い、気密性の高い建物や舗装された道路など、熱のこもりやすい環境です。そのため熱中症になる人が多くなり、広報や新聞、テレビなど注意喚起が至るところでされているので、よく見聞きされると思います。
昔は暑いとき、むやみに外出しないように、外出するなら帽子などを着用するようにと言っていましたが、最近では、高齢者が暑い室内で熱中症になることが増えています。
熱中症は予防が大切で、こまめな水分補給と涼しい環境が重要です。対策を万全にして、熱い夏を乗り切りましょう。
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やまもとクリニック院長 山本 光太郎先生
■プロフィル
平成元年 山口大学医学部卒業
山口大学医学部消化器・腫瘍外科(旧第2外科)助手を経て、
平成17年10月「やまもとクリニック」開院
日本医師会認定産業医 |
(2018年6月27日 サンデーうべ掲載) |