Q.
補聴器を使っていると耳の聞こえが悪くなるというのは、本当でしょうか?(69歳男性)
A.
一般的には自分の聴力に合った調整をした補聴器を適正に使用すれば、聞こえが悪くなることはないと言われています。ただし元々難聴があるために補聴器を使用するので、ある種の耳疾患では仕様の有無にかかわらず聴力が悪化してしまう事もあります。補聴器装用後も定期的に聴力検査をしておいた方が良いと思われます。また使用中に外耳道炎(耳の通りに炎症が生じる病気)や耳垢塞栓(みみあかがつまった状態)を起こす事もあり、耳がかゆい、耳だれがる、耳がつまって聞こえないなどの症状があれば耳鼻咽喉科を受診してみて下さい。補聴器は適正に使用しなければ効果を発揮できませんので、他人の物をそのまま使用したり、通信販売の物を調整せずに使用するとかえって聴力を悪化させる事もありお勧めできません。聞き返しが多くなったり、周囲が騒がしい時や早口の声が聞き取りにくい、集会や講演会で話がわからないなどあれば軽度以上の難聴になっている可能性があります。補聴器を装用して他人とかかわりコミュニケーションをとると認知症予防にもつながります。聴こえの悪さや補聴器について気になる事があれば一度、耳鼻咽喉科を受診し相談してみて下さい。
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田原耳鼻咽喉開院 田原 哲也先生
■プロフィル
平成元年/山口大学医学部医学科卒業、平成6年/山口大学大学院医学研究科修了、医学博士/日本耳鼻咽喉科学会認定専門医/日本耳鼻咽喉科学会補聴器相談医
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(2018年9月7日 サンデーワイド掲載) |