Q.
50歳代の男性です。先日、特定健診を受けました。血液検査の結果で悪玉コレステロールや中性脂肪が高めでした。運動療法や食事療法に注意するように指導されました。最近、えごま油やアマニ油を摂取すると高脂血症がよくなると聞きました。やってみる価値があるのかどうか気になっています。
A.
私たちの身の回りにある油は、実は大きく4つのグループに分けることができます。
・バターや牛肉など飽和脂肪酸が多いグループ
・オリーブオイルなどオメガ9脂肪酸が多いグループ
・大豆油やコーン油など、オメガ6脂肪酸が多いグループ
・魚の油やえごま油など、オメガ3脂肪酸が多いグループ
この4つのグループの中で、特に重要なのがオメガ6脂肪酸と、オメガ3脂肪酸です。飽和脂肪酸とオメガ9は体で作ることができますが、オメガ6とオメガ3は作ることができません。食品から摂取する必要があるため必須脂肪酸と呼ばれる、大事な栄養素です。ところが、現在の日本人のアブラの摂取比率を見てみると、オメガ3だけが極端に少ないのです。昔に比べ、魚を食べる量が減った事が影響しています。近年、このバランスの悪さが、心疾患のリスクを高めることが分かってきたため、オメガ3を積極的にとることが勧められています。オメガ3脂肪酸は、寒いところに住む生物が多く持っているとされ、動物系では水中に住む魚の油やアザラシ油、植物系ではえごま油やアマニ油などに多く含まれています。なかなか普段から魚を多く食べられないという人たちに、えごま油やアマニ油などを1日小さじ1杯分摂取すると高脂血症の改善が期待出来ます。
興味があれば、お近くの医療機関にご相談して下さい。
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金沢守クリニック院長 金沢 守先生
■プロフィル
平成2年:山口大学医学部卒業
山口大学医学部附属病院、宇部記念病院、阿知須同仁病院などを経て平成23年9月7日「金沢守クリニック」を開業 |
(2019年1月7日 サンデーうべ掲載) |