Q.
海外に行くことになりました。予防接種を受ける必要がありますか?
A.
急ぎ接種を検討して下さい。海外に行く際に予防接種を必要とするケースは二つです。一つは危険な病原微生物感染の備えとして、もう一つは留学等で予防接種済みであることが受け入れの条件である場合です。渡航先と目的は様々でしょうが、冒険心から傷を作るリスクがあれば破傷風にも注意する必要があり、イヌやキツネ、コウモリ等に噛まれれば狂犬病に感染する可能性もあります。不衛生な飲食物からは肝炎ウイルス感染も懸念されます。米国等の多くの大学において日本では接種されることの少ない髄膜炎菌ワクチンを必要とします。関係省庁から必要なワクチン等の情報が出されておりますので、確認して下さい。ワクチンは複数回の接種を必要とするものや、数種類のワクチンを同時に接種できない場合があり、予防接種完了までに数カ月を要することもあります。準備期間が短く、結果的に感染のリスクを十分に低減できないままの渡航となることは避けたいものです。海外において医療機関の受診は容易ではありません。健康を維持するために国内で十分な準備をして下さい。
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有好内科クリニック院長 有好 浩一先生
■プロフィル
平成6年:山口大学医学部卒業 医学博士 山口大学附属病院病棟院長、併任講師を経て、平成25年有好内科クリニックを開院。
日本血液学会専門医・指導医 |
(2019年1月23日 サンデーうべ掲載) |