記事・広告のお問い合わせは
株式会社宇部日報社
TEL：0836-31-1616　FAX：0836-31-1647

◆ 寝るスペースがない・・・
　先日、柳井市の男性からご依頼をいただき、アシスタントのA子ちゃんと２人でお片づけに行ってきました。その日は大雨予報で、前日に「雨がひどかったら日程を変更しても大丈夫ですよ」というメッセージをくださる、とても紳士的な方。お伺いすると、私たちのためにわざわざスリッパの準備までしてくださっていました。
　お片づけするのは小さな１Kのアパート。入口のキッチンは狭いながらも色々と工夫をこらして、綺麗にお使いのご様子。これは２人で６時間もかからないかな・・・と一瞬思ったのですが、奥のお部屋を拝見させていただくと、物で壁ができていて、ゆっくり足を伸ばして寝るスペースもない感じ。けれど、不衛生なお宅というわけではありません。

◆ しがらみがあると手放しにくい
　お話をお伺いすると、おばあさまや身寄りのないご親戚の住居を整理するなどした際に、捨てるに捨てられない物を引き取られたとのこと。身動きが取れなくなり、自分ではどうしようもなくなったとか。もともとはきちんとお暮らしの方なのだと思います。けれど、人はある一線を越えると『やる気』を失ってしまうのかもしれません。明らかに、自分でも要らないと分かっているダンボールですら捨てられなくなっておられました。

◆ 『今』を生きる
　人が物を手放せない理由のひとつに「しがらみ」があります。特に亡くなられた方の物を１人で処分する重圧は大変なものです。もし、私たちがお手伝いさせていただいた事で、その罪悪感が少しでも和らいで、残された人たちのこれからの「暮らし」がより良いものになるのであれば幸いです。片づけの基準は過去でも未来でもない『今』です。今、今日この時を生きている人が、快適に暮らせる仕組みづくりこそが、片づけなのだと思います。

Instagramでお片づけの情報も
発信しています。

「片づけパンダ」代表　中村美夕紀さん

宇部市在住の整理収納アドバイザー。県内・県外でセミナー講師として活動する傍ら、個人宅や企業・店舗などの整理収納サポートにも力を注いでいる。レコーディングエンジニアや電機メーカー勤務など過去の経験を活かした的確なアドバイスには定評がある。
★★★
Movery Life（マブリーライフ）とは『より良い暮らし』という意味で、山口弁の『ぶり』の最上級『まぶり』からとった造語です。
★★★

（サンデーうべ・ワイド　2020年6月26日号掲載）